みやうちふみこの詩のページ

あふれる言葉 感動 感嘆 処々 

ハルジオンの花

雨上がりの初冬の空は

やわらかなほほえみを浮かべて

爆音までも ふんわりと抱擁して

機体は雲に抱かれ 先へ先へと

 

陽だまりの花の枝に 

一枚 

赤く光る葉が 

体を横たへ 

育んできた

小さな蕾を

微笑みながら

愛おしそうに見つめている

 

そろそろお別れだね

はっぱのリフレイン

 

アスファルトの割れ目に伸びたハルジオンが

青い空に向かって 歌っている

 

 宮内文子