みやうちふみこの詩のページ

あふれる言葉 感動 感嘆 処々 

「あの音」 

 

「あの音」           みやうちふみこ

 

 

高くなったり低くなったり

低くなったり高くなったり

 

五線譜の水たまりに 

オタマジャクシいれたら 

どんな風に泳ぐだろうか

 

フォルテッシシモ 

フォルテッシモ 

フォルテ 

メゾフォルテ

メゾピアノ 

ピアノ 

 

ピアニッシモ 

ピアニッシシモ

 

ごく強くごく強く とても強く

強く強く やや強く

ごく弱くごく弱く とても弱く

弱く弱く やや弱く

 

その音が 背中から

体内に響いてくる

 

あの音と

見上げたら

 

はやぶさ

翼をすぼめ

猛スピードで

飛ぶ時のように

上空を南の方へ飛行

見えなくなって

 写ったのはベランダの 

白いひさしと青い空

 

夜が明けても

あの音としんどうの

止まない日

 

戦争を

知らない

君たちだから

甘い、考えに

酔って

いるの

よ!

さようなら。

 

空襲で家を焼かれたりけがをしたり死んだりしたのは個人的問題?「もうおしまい!」と君たちを信じて逝った母。「ははの詩」は永久(とわ)!

      2021年05月28日記