みやうちふみこの詩のページ

あふれる言葉 感動 感嘆 処々 

ふつう

      ふつう

     

かざ音につられ 

窓を開けると 

くら闇から 

霧のような

冷雨が

吹いてきて 

覚醒する

  

立春。あたたかい一日だった。

 

ちりょうで 

抜けておちて 

徐々に このごろ すこし 

ふつうになってきた 

かみに 

ていねいに挟みを入れる。 

ちょき ちょき ちょき

  

「一度だけパーマをかたことがあるの。」と その人は話してくれた。

 

ちょき ちょき ちょき 

のびてきた髪を

ちょき ちょき 

ちょき ちょき

切ってみた。

ちょき ちょき ちょき 

いつも同じ。

ぎざぎざぎざ。

 

「かみ切ったの? って聞かれたよ。」

「お母さん。って言ったけど、そんな風に聞かれたときは、ふつう、

美容院へ行ってきたの(ね)。って 言うことらしいよ。」

 

グラスに挿した蕾のなばな。きれいに咲いた。 

 

   

          2022年 2月7日  

   

ナナロク社の詩の学校

   三角みづ紀詩の教室最終回課題投稿       宮内文子