みやうちふみこの詩のページ

あふれる言葉 感動 感嘆 処々 

晩夏

ま~ぁだだよ~ 

もう~いいかい! 

ま~ぁだだよ・・・・

母親らしい語らいの

まにまに

子供たちのはずんだ声が

ひびくように聞えてくる

 

ぼんやりと 

深い深い 

まどろみから

覚めながら

明るさのなかで 

今がいつなのか 

あたりを見回しても 

頭の中はまっしろで

戸惑いながら

辺りを見回し

じっと 何かを

確かめるようにしながら

玄関へと歩をすすめる

Oちゃんの靴がない!

 

そう、、、新聞を読んでいたのだった。

 

  もう~いいよ!

気がつくと 

子供たちの声は

と~くに行って

時計の針は 

正午になろうとしていた

 ここから見える

桜葉の中から

ジイジイジイと鳴く 

セミの声が聞こえて

おとといまで 

桜葉の下一面に生えていた 

猫じゃらしは 

男の人が 朝 

2日かけて

抜き取ってくれて

あとには 

今年の夏も 

もう終わりです。と、

かいてあった。

 

早くなってきたと

感じる 夕暮れ

残暑のぬくもりを

含んだ 風が 

ひんやり 

生暖かく 

肌に触れる

宙 全部が

灰色にそまっても 

ツクツクボウシだけは

普通に鳴いている

 

 

いまにも、雨が降ってきそうだ

 

2020年9月17日推敲